瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

わら半紙

昔、小学校で配られる紙ものは、ほとんどわら半紙だった。
テストにプリントに学級新聞。
卒業文集も、わら半紙だった気がする。
稲藁や麦藁を原料にしてたらしいね。
あの頃のは、本当にガッサガサで、消しゴムで消すと紙がめくれた。
あと、わら半紙といえば、ガリ版だな。
油紙みたいなやつに鉄筆で書いた原版の上を、インクをつけたローラーでグリッとやって刷っていく。
これは、うかつにさわると手が黒くなる。
わら半紙にしろガリ版にしろ、やっかいなシロモノだった。
お世辞にも上質とは言えないし、使い勝手も最悪だったけど、そんなのに限って何ともいえない味があった。
アメリカに戦争で負けて、日本は物量に目覚めた。
余裕が出来て、量より質を求めてきて、その次はとなれば、味わいってことになるんじゃないの。
ついに、わら半紙を面白がれる時代が来たのかもしれない。