瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

小野篁

平安時代小野篁(おののたかむら)って人がいた。
遣隋使の小野妹子の子孫で、字の上手な小野東風にとってはおじいちゃんに当たる。
有能な官吏で、当代一の詩人であり、武芸の道にも通じる大男。
実は裏の顔があって、地獄で閻魔大王の補佐をしていた。
京都の東山、六道の辻にある珍皇寺って寺の裏庭に井戸があって、そこから夜な夜な冥界に下りて裁判を手伝っていた。
六道の辻ってのは、葬送の地、鳥辺野の入口で、何とも抹香臭い場所だ。
あそこなら、地獄への入口があっても不思議じゃないね。
どうしてそういう事をするようになったか知らないけど、小野篁は相当な反骨の男だったらしいから、そこを閻魔さまに見込まれたんだろう。
何にしても、太陽より月の似合う男だな。