瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

トンボ

子どもの頃、トンボが空を群れ飛んでいたけど、今は見ない。
幼虫のヤゴが住めるような水場が減ったからね。
蜻蛉と書いて、「とんぼ」とか「あきつ」と読む。
その昔、トンボを「秋津(あきつ)」と呼んでいた。
古来、日本国のことを「秋津島(あきつしま)」という。
神武天皇が国土を見まわして、“秋津のようだ”と言ったって故事がある。
どこがトンボみたいなんだか、よく分かんないけどね。
また、トンボを「勝ち虫」といって縁起をかつぎ、武士が好んだ。
前に進むのみで、後ろに退かないから。
日本では、おおむね良いイメージの虫なんだけど、西洋では不吉な虫として扱われている。
この対比は、西洋で月を精神異常と結びつけて不吉とするのに対し、日本では月を、再生や豊穣の象徴とするのに似ている。