瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

水紋

雨の池を眺めていた。
木々の緑がぬれている。
雨音は心に静かだ。
水面に落ちる雨粒が、たえず水紋を描いては消える。
水紋って、真円なんだな。
まったく歪んだところがない。
雨粒が描いているのか、それとも池の水が描くのか。
その無心の円は、先に生まれ後に生まれ、静かに交わり、どちらともなく消えてゆく。
命とおんなじだな。
ただ、そのくり返しを眺めている。
水紋のゆがみのない円。
おんなじ円が空にもある。
満月は、無心にして円満の相だ。
そんな円が描けたらいいな。
そんな心でいられたら。