瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

ハウスみかん

もう夏なのに、みかんを売っている。
いや、まだ夏なのにみかんを売っている。
路地もののはずがない、ハウスみかんだ。
これは、冬にハウスを暖めて、夏と思わせて花を咲かさせる。
実がなると、ハウスを開けて冷たい夜気にあて、秋になったと思わせて、実を色づかせる。
こうして、勘違いをさせ続けて収穫する。
ひどいことをするもんだね。
木が実をつけるってことは、次の世代を生むための大切な営みなのに、その一番大事な部分を狂わせて搾取している。
冬になるはずの実を夏に喰うってことは、人も季節を勘違いさせられてるってことだ。
そうやって、感覚を狂わされた人間が、次の世代を健全に育む身体をもっていると言えるだろうか。
くわしいこと知らないから、勝手なこと言うけど、ハウスみかんの木をハウスから外に出したら、実ることはないだろうし、多分、枯れるよ。