瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

月とすっぽん

天と地ほどのへだたりがあることを、「月とすっぽん」って言うね。
語呂がいいから口にしやすいけど、なんで「月」と比べるのに「すっぽん」を引き合いに出したんだろう。
「月と亀」でもいいようなもんだけどね。
「丸」って、すっぽんのことを呼ぶところがある。
すっぽんを鍋仕立てにしたやつを、丸鍋って言うしね。
月もすっぽんも丸なのに、かたや空にあって美しく輝き、かたや泥水ん中をはいずり回っている。
そのへだたりを言うんだろう。
一説に、すっぽんは「素盆(すぼん)」のことだってのがある。
満月のことを「盆のような月」って言うから、一理あるような気もする。
それでも、月を見上げるスッポンのうなじに、なんともいえない哀愁を感じる。