瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

銀椀盛雪 明月蔵鷺

銀椀盛雪 明月蔵鷺 (ぎんわんにゆきをもり めいげつにろをかくす)
銀のお椀に白い雪を盛り 明月に白鷺が照らされている

よく分かんないね。
坊さんってのは、言わなくてもいいことを言う。
銀のお椀に白い雪を盛っても、雪の白さははっきりしない。
水辺にいる白鷺に明るい月の光がさしても、光る川面に、鷺の白さはまぎれてしまう。
目立たなくても、雪は雪だし、鷺は鷺だ。
目をつぶれば、銀の椀も雪もないし、明月も鷺もないのと同じ。
かといって、見えなくっても、あるものはある。
銀椀と白雪が見分けがつかなかったり、はっきり見分けられたりするのは、神様がそうさせるわけじゃない。
別のものだけど、おんなじことだ。
銀椀と雪も、明月と鷺もありゃしない。
ただここに、てめえがいるだけってこと。