瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

無一物中無尽蔵 有花有月有楼台

無一物中無尽蔵 有花有月有楼台
無一物 中 無尽蔵 花あり 月あり 楼台あり 
(むいちもつ ちゅう むじんぞう はなあり つきあり ろうだいあり)
何もない心には 何でも入れることができる そこには 花も月も建物も何でも見ることができる

空の盃は、空っぽだからこそ、酒を注ぎ入れることができる。
注いでも注いでも、こっちはどんどん呑んじゃうから、盃はいつも空っぽだ。
そして、酒を満たした盃には、花だろうが月だろうが、贅を尽くして作った建物だろうが、何でも映しこむことができる。
その盃の、酒に映ったすべてのものを、こっちは何でも呑みこんじまう。
ブラックホールみたいなもんさ。
それでも、心はいつも空っぽ。
ただ陶然として、楼台の月と花とに酔うばかりなのさ。