瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

松茸

あまりなじみのない茸と言えば、松茸だ。
せいぜい、インスタントのお吸い物の味しか、思い浮かばない。
昨日、もらったちらし寿司を喰ったら、やけに歯ごたえのいい茸が入っていて、何かお吸い物みたいな味がするなと思ったら、松茸だった。
昔、料理屋で土瓶蒸しを出され、喰い方が分からなくって、困ったこともある。
親の世代の人間は、昔はいっぱいあったから、別にありがたいとも思わなかったとか、もらっても食べ切れなくて、腐らせちまったなんて言う。
うらやましいと言うよりも、逆に、今の世の中、どこか貧弱で面白くなくなったもんだと思う。
松茸が取れなくなったのは、赤松林の荒廃が原因と言うが、それと言うのも、日本の林業が、産業として成り立ってないからなんだろう。
松茸なんぞのためじゃなく、大きい小さい全部含めて、山全体を育てることが大切だ。
結局、全てはどっかでつながっている。
別に松茸なんて喰えなくても良いけど、松茸も生えないような環境は問題だ。それと、外国から輸入すりゃ良いって考え方も、早くやめた方がいい。
旧暦人にとって普通だったことが、今や贅沢なことになってしまったのだとすれば、それはやっぱり、どこかバランスを欠いた生活だって言うことだ。このまんまじゃ、ダメだってこと。
本当は、もう気づいてるんでしょう。