瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

ねぎま鍋

鮪のアラの良さそうなのがあったんで、ねぎま鍋にする。
これは、江戸のもんだ。
醤油ベースの汁に、鮪とネギをぶちこんで、ふうふう言いながら喰う。
鮪の別の呼び名で「シビ」ってのがあって、「死日」を連想するからか、昔は好んでは食べなかった。
江戸時代のあとの方でも、喰うのは赤身だけで、トロは脂っぽくて傷みやすいから捨てちゃってた。
その低級品扱いのトロを使って鍋をやったのが、ねぎま鍋の起源なんだな。まったく贅沢なもんだ。
その後も、赤身の方が上等だったんだけど、1960年台ごろから、急にトロが人気になって、こっちの方が上等になった。
まあ何しろ、うちは鮪のアラでねぎま鍋。
鮪の価値の乱高下を見てると、そのうち、アラが一番上等っていう時代が来ても不思議じゃない。
最近、旧暦の良さに目覚めた人が増えている。
近い将来、旧暦が世の中の標準になっても全然驚かないね。
旧暦は、レトロじゃなくて、トロだ。