瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

木の芽

春の楽しみって言ったら、筍だな。
とくに、若竹煮が好きでね。
何がいいって、食感がたまんない。
山のものと海のもの、出盛りの筍と採れたての新ワカメの、出会いの妙。
味の相性もよく、どちらもアルカリ性食品だから、身体の調子を整えてくれる。
旧暦的生活の、あるがままの暮らしのキーワードに、「旬を食す」ってのがある。
「筍」っていう字は、タケカンムリに「旬」。そのものズバリの食材だ。
今じゃ、筍の水煮の真空パックなんてのもあるし、塩蔵ワカメだってある。
だから、若竹煮を喰おうと思えば、一年中いつでも喰うことは出来るんだけど、木の芽だけはこの時期にしかない。
山椒の若芽を、上にたっぷり盛って初めて、若竹煮は完結する。
木の芽の香がなけりゃ、若竹の味わいも半減ってとこだな。
食は、身体を育むのみならず、心も養うものと知るなら、やっぱり旬を食すに限るな。