瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

深い

浅いより深いほうがいいと思っていた。
多くの経験を積んだ末に、深みも増していくんだろうと。
フランス料理は、深い味わいがあるという。
日本料理は奥が深いという。
フランス料理は足し算で、日本料理は引き算だ。
深さの質が違うってことか。
どれだけ奥なんだか手前なんだか、全く見当がつかない。
深い浅いを口にするうちは、まだまだ浅いってことなんだろう。
でも、必ずしも奥の奥が深いとは限らない。
求めて求め尽くして行き着くんじゃなく、力を抜いたら、ひょいと行けちゃうような境地。
そこには、大切なお宝なんてものはなく、ただポカンとして何もない。
結局、何も分かんないことが分かってるから、心のありようは自在なんだな。
だから、深いも浅いも無いってこと。