瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

干し飯

干し飯(ほしいい)は携帯非常食。
炊いた米を水にさらして、天日で干したもの。
米を備えるから、「糒」と書いても「ほしいい」と読む。
軽くて持ち運びに便利で、水や湯にひたしてもいいし、いざとなったらそのままでも喰えるから、戦の時の兵隊の飯としても使われた。
災害時用のアルファ化米も、これと同じ事なんだな。
米のデンプンは可逆的に変化する。
米を炊くとご飯になって、ご飯を干すと糒になって、糒を湯でもどせばご飯になる。
米って月に似てるね。
月は、新月が満ちていって満月になって、満月が欠けていって新月になる、可逆変化のくり返し。
この世のものは全て、土から生まれて、土に返るのが道理なんだろう。
今は、文明が進みすぎたのか、もとに戻らないものばかり生み出している。
文明そのものが、少しもとに戻ってもいいんじゃないかな。