瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

大徳寺納豆

大徳寺納豆は、糸をひかない。
かと言って、甘納豆の一種でもない。
どちらかというと、味噌に近い。
豆味噌を少し干して、丸い粒にしたようなやつ。
大徳寺一休さんが、中国から持ち帰ったんだってね。
大豆と大麦と塩を発酵させて作る。
禅寺の精進料理は、肉食魚食をしないから、貴重なタンパク源になっていた。
また、飢饉の備えにしたり、旅の携行食にしたりした。
料理の味付けや薬味としても使えるけど、こっちはもっぱら酒のつまみだ。
たくさん喰うもんじゃないけど、それだけで世界観が完結してるから、ほかには何もいらない。
見た目はただの黒いかたまりなんで、そのへんにころがってたら、誰も喰おうとはしないだろう。
食べ物にすら見えないから、味の予想もできないけど、全ての味を含んでいる。
食べ物というより、悟りの境地なんだな。