瞳堂の月下独酌―blog―

瞳堂主人のブログです

ちっぽけな事

小3の授業参観の時、あの子に腕をつかまれて、教室の後ろに連れて行かれた。
「これが瞳君。いつも面白いことばっかり言ってるの」
そう紹介されて、母君は少し微笑んで、こっちは少し赤くなった。
父君が国会議員で、選挙になると学区内にポスターが貼られたから、あの子はみんなにからかわれていた。
それでも、あの子は平気な顔をしてたけどね。
何かのはずみに、そんな事を思い出した。
今すれちがっても分かんないとは思うけど、会えたら聞きたいことがある。
あのころ僕は、どんな面白いことを言っていたの?
からかわれて君は、悲しくなかったの?
僕は別の女の子とのことを、君にひやかされて、少し悲しい思いをしたよ。
ちっぽけな事が面白くって、ちっぽけな事が悲しかった。